被保険者が退職すると、その翌日に被保険者の資格を失いますが、一定の条件を満たしている場合には、引き続き健康保険に加入できる任意継続の制度等があります。
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退職して、被保険者の資格を失ったときからは(旧)保険証は使用できませんので、(旧)保険証を速やかに事業主へ返却して下さい。
退職後(資格喪失後)に受けられる給付
被保険者が資格を失うと、保険給付が受けられなくなるのが原則ですが、下記のような要件を満たしている場合には、「継続給付」として受け取ることができます。
傷病手当金
下記の要件をいずれも満たした場合に支給されます。
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退職日(資格喪失日の前日)までに、継続して1年以上の健康保険被保険者期間(任意継続被保険者期間は除く)がある場合。
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退職日(資格喪失日の前日)に傷病手当金を受けているか、受ける要件を満たしている場合。
出産手当金
下記の要件をいずれも満たした場合に支給されます。
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退職日(資格喪失日の前日)までに、継続して1年以上の健康保険被保険者期間(任意継続被保険者期間は除く)がある場合。
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出産日または出産予定日が退職日(資格喪失日の前日)から42日以内であって、退職日に労務に服していない場合。
出産育児一時金
下記の要件をいずれも満たした場合に支給されます。(被扶養者が資格を喪失した場合は支給の対象になりません。)
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退職日(資格喪失日の前日)までに、継続して1年以上の健康保険被保険者期間(任意継続被保険者期間は除く)がある場合。
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資格喪失後6ヶ月以内に出産した場合。
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退職後に被扶養者となって出産した場合は、加入している健康保険組合の「家族出産育児一時金」か、退職後の「出産育児一時金」のどちらかを選択します。
埋葬料
下記のいずれかに該当したときに支給されます。(被扶養者が死亡した場合は対象外となります。)
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資格喪失後3ヶ月以内に死亡した場合。
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傷病手当、出産手当の受給中に死亡した場合。
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傷病手当、出産手当の受給終了後3ヶ月以内に死亡した場合。
引き続き個人で加入する任意継続被保険者
被保険者期間が2ヶ月以上あった人は、退職後も引き続き2年間は、「任意継続被保険者」として個人で健康保険の被保険者になることができます。
保険給付は、一般の被保険者と同じ給付を受けることができますが、傷病手当金と出産手当金は支給されません。
ただし、資格喪失後の継続給付に該当する場合は、資格喪失後の傷病手当金・出産手当金として受け取ることができます。
(例)標準報酬月額28万の場合(令和6年3月1日現在)
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健康保険料
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25,200円
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介護保険料
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5,040円
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保険料は全額自己負担となります(保険料のもとになる標準報酬月額は、退職時の標準報酬月額か健康保険組合の標準報酬月額の平均額のいずれか低い方になります)。
退職日の翌日から20日以内に「任意継続被保険者資格取得申請」の必要書類を提出し、保険料を納めて下さい。
「任意継続被保険者」の申請手続きについて
「任意継続被保険者健康保険料」について
75歳以上は後期高齢者医療制度
75歳以上の人、または65歳以上で寝たきり等の人は、それまで加入していた医療保険からはずれ、後期高齢者医療制度の被保険者となり、後期高齢者医療制度から医療を受けます。